【4月17日 AFP】ボクシング、スーパーミドル級王者のフェリックス・シュトルム(Felix Sturm、ドイツ)は16日、自身の検体からアナボリック・ステロイド(anabolic steroid)が検出されたことを伝えられ、「ショック」を受けたと明かした。

 2月20日に行われたヒョードル・チュディノフ(Fedor Chudinov、ロシア)とのWBAスーパーミドル級スーパー王座タイトルマッチでのシュトルムのAサンプルからは、筋肉増強剤のスタノゾロール(stanozolol)の陽性反応が出た。

 WBAやWBOのミドル級ベルトを持つ37歳のシュトルムは、この一戦に勝利し、ドイツ人ボクサーとしては史上初となる五つ目の世界王座を獲得した。

 15日にWBAから電子メールで薬物検査で陽性反応が出たと伝えられたシュトルムは、独スポーツ通信社SIDに対し、「まずはショックだった」と語った。

「すべてがとても奇妙なんだ。とりわけ結果が知らされるまでに8週間もかかっている。それに、試合を開催したドイツプロボクサー協会(BDB)には知らされず、私とトレーナーにだけ知らされたんだ」

 Bサンプルも陽性反応を示した場合、2年間の出場停止となり、シュトルムは事実上の引退となる。

「必ずBサンプルを公開するだろう。血液や尿の検査は数百回やっている。今までに何も見つかったことはない」

「弁護士を立てる。こんなことのために26年間やってきたわけじゃない。ライオンのように戦うよ、リング上と同じように。悪意はないし、ただただいら立たしい」

「試合前の12週間に何を体内に取り入れたか、すべて書き記したリストを作るつもりだ。陽性反応を説明するものは何もないだろう」

 シュトルムは「この8年から10年の間、同じドイツ製の製品を口にしている」と付け加え、陽性反応の原因となるようなサプリメントは摂取していないとした。

 スタノゾロールは、1988年のソウル五輪の陸上男子100メートルで優勝後、ドーピングにより金メダルを剥奪されたベン・ジョンソン(Ben Johnson)氏が摂取していたものと同じステロイド。

 これまでの通算成績を40勝(18KO)5敗としているシュトルムは、ステロイドを摂取することは意味をなさないと語った。

「14歳のころには筋肉がついていた。やって何の得があるんだ?もうしっかりとトレーニングした体があるのに」

「Bサンプルの結果がAサンプルの結果を覆したことは何度もある。心配はしていない」

「やっていないよ、1000パーセントだ」

(c)AFP