【4月15日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は14日、蚊が媒介するジカウイルスについて、現在知られている限りで初の、男性同性愛者間の性交渉による感染例の調査報告を発表した。同ウイルスに新たな感染経路が存在することを示唆する調査結果だ。

 ベネズエラに渡航した男性が今年1月に米テキサス(Texas)州に戻った直後に、その男性パートナーがジカウイルスに感染したという。パートナーは渡航していなかった。CDCによると、このカップルは10年以上、パートナー以外との性交渉はなかったという。

 2人には発熱、上半身に出たかゆみを伴う発疹、目の感染性結膜炎などの症状が出たが、持続する合併症はなかった。

 ジカウイルスの性感染に関してはこの他、これまでに少なくとも5例が科学論文で報告されているが、これらはすべて男性から女性への感染例だった。

 CDCは「週間疾病率死亡率報告(Morbidity and Mortality Weekly Report)」の中で「膣性交や肛門性交による性感染はジカウイルスの新たに浮上した感染様式だ。症例数が、流行が最初に認識された時点での予測を上回った一因となった可能性がある」と指摘している。

 CDCは今週、ジカウイルスが、脳の発達に異常が生じる小頭症などの先天異常の原因であると断定したと発表した。蚊媒介ウイルスで、発達段階の胎児にこのような害を及ぼす能力を持つことが判明したのはジカウイルスが初めて。(c)AFP