【4月11日 AFP】サーフボードの上に立ち、オールを使って前進する「パドルボード(スタンドアップボード、SUP)」で大西洋を横断しようと、フランス人の男性が10日、大西洋の島国カボベルデを出発した。カリブ海の島まで総距離5000キロに及ぶ航海で、成功すれば世界初の偉業となる。

 単独で大西洋横断に挑んでいるのは消防士で耐久スポーツ愛好家のニコラ・ジャロセー(Nicolas Jarossay)さん(38)。後援者によると同日午後、カボベルデの首都プライア(Praia)の港を出発、カリブ海に浮かぶフランス海外県のマルティニク(Martinique)島まで約2か月で到着することを目指す。

 ジャロセーが乗るパドルボードは長さ7メートル、幅83センチメートル。今回の挑戦用に改造したもので、長さは通常のパドルボードのほぼ2倍だ。長さ2.2メートル、高さ45センチメートルの「キャビン」を備え、中で寝ることができるほか、冷凍乾燥した保存食を入れておく小さなスペースもある。

 このほかソーラーパネルも搭載し、必要に応じて装置の充電もできるという。

 ジャロセーさんは3年かけて旅の構想を練ったと語っている。

 パドルボードを使った長距離航海としては5年前、米国人のアレックス・リンネル(Alex Linnell)さんが米ミシシッピ川(Mississippi River)の全長約3780キロメートルの移動に成功している。(c)AFP