【4月11日 AFP】10日に行われた15-16フランス・リーグ1第33節、オリンピック・マルセイユ(Olympique de Marseille)対ボルドー(FC Girondins de Bordeaux)戦は、チームのふがいない成績に激怒したマルセイユのサポーターが、クラブの女性オーナーを標的にした差別的な横断幕を掲げるなど、終始異様な雰囲気の中で行われ、最終的には機動隊が催涙ガスを使用する事態となった。

 欧州王者に輝いた実績もある名門マルセイユは、この試合を0-0のスコアレスドローで終え、降格圏からわずか勝ち点6差の中位に低迷。リーグ戦では7か月も本拠地での勝利から遠ざかっている。

 この状況にマルセイユサポーターの怒りが爆発。悪名高い過激サポーター集団が陣取るホームのゴール裏で、マルセイユの女性オーナーであるマルガリータ・ルイドレフュス(Margarita Louis-Dreyfus)氏やヴァンサン・ラブルン(Vincent Labrune)会長を標的にした横断幕が掲げられた。

 ルイドレフュス氏に対しては「本業に戻れ、この主婦」や「遺産を相続しただけの無能女」といった横断幕が掲げられ、さらに自分たちのいら立ちを強調すべく、英国の古典コメディー「ベニー・ヒル・ショー(Benny Hill Show)」のテーマ曲を流しながら、デフォルメしたルイドレフュス氏やヤギを描いた旗を掲げて「俺たちを降格の屈辱から救ってくれ」と訴えた。

 さらにほかのサポーターは「ブロンド、ルブラン、無価値」と断じ、マルセイユ市長のジャンクロード・ゴーダン(Jean-Claude Gaudin)氏がチームを率いた方がまだマシだとほのめかした。

 別のサポーターグループは、サポーターが拡声器を使って怒りの声を上げられないよう、スタジアム関係者が電源の供給を断ったとツイッター(Twitter)に投稿している。

 サポーターの怒りは最後まで収まらず、最終的には、200人近いサポーターが催涙ガスを浴びせられる事態になった。(c)AFP