【4月8日 AFP】英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相は7日、父親が設立したオフショア投資ファンド3万ポンド(約456万円)分を保有していたことを初めて認めた。英テレビ局ITVとのインタビューで明らかにした。世界各国の要人や著名人らがタックスヘイブン(租税回避地)を利用していた事実を暴露したいわゆる「パナマ文書(Panama Papers)」公開後、英首相の同ファンドの存在をめぐって批判の声が上がっていた。

 英首相官邸は「パナマ文書」が3日に明るみに出て以来、この問題について4回にわたり声明を発表している。「パナマ文書」では、パナマの法律事務所モサック・フォンセカ(Mossack Fonseca)が、オフショア企業の設立で企業や裕福な個人に手を貸していたことが明るみに出た。

 キャメロン首相は「私たちは保有していたブレアモア投資信託(Blairmore Investment Trust)の5000ユニット全てを、2010年1月に売却した。その額は、3万ポンドぐらいだった」と説明。2010年に首相になるために売却したことを明らかにした。

 同首相はまた、1997年に購入した持ち分売却の配当にかかった税は支払っているとした。

 この一件は、6月23日に予定されている国民投票で、英国の欧州連合(EU)残留確保に向け厳しい争いを強いられるであろうキャメロン首相にとって新たな頭痛の種となった。

 キャメロン首相の亡父は、2010年に息子が首相になってから4か月後に死去している。(c)AFP