【4月8日 AFP】英誌「オートスポーツ(Autosport)」は7日、昨季のフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦した各チームに対する収益の分配見通しを発表し、イタリアの名門フェラーリ(Ferrari)が、コンストラクターズでメルセデスAMG(Mercedes AMG)に次ぐ2位だったにもかかわらず、最も多い金額を手にすることが分かった。

 フォーミュラワン・マネジメント(FOM)は、開催費、放映権料、トラック脇の広告、ホスピタリティーなどから得た収入を集計し、各チームに分配することになっている。分配金は、9か月にわたって毎月各チームに支払われ、最終的な収益が確定する2017年初めごろに、最後の支払いが行われる。

 2015年の総収入から9億6500万ドル(約1042億円)が、昨季のレースに参戦した10チームに分配されるが、2年連続でコンストラクターズタイトルを獲得したメルセデスは、フェラーリに続く2位になるという。

 フェラーリは、前年比3300万ドル(約35億6000万円)アップの1億9200万ドル(約207億4000万円)を受け取るとみられる。これは全チームに対する分配金の約20%を占める金額で、1億500万ドル(約113億4000万円)はボーナス分となっている。

 昨季のメルセデスは、19戦中16戦で優勝し、そのほとんどでワンツーフィニッシュを飾ったにもかかわらず、分配金ではシーズン3勝だったフェラーリを下回り、全体の17.7%に相当する1億7100万ドル(約184億7000万円)にとどまった。このうち7400万ドル(約80億円)がボーナスとなっている。

 コンストラクターズで9位だったマクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)は、8200万ドル(約88億6000万円)を手にすることが見込まれる。しかし、5位だったフォースインディア(Force India)の分配金は6700万ドル(約72億4000万円)で、不公平ではないかとして、チームが欧州委員会(European Commission)に訴え出る事態に発展している。

 F1の商業面を統括するFOA(Formula One Administration)のバーニー・エクレストン(Bernie Ecclestone)会長は、フォースインディアとザウバー(Sauber)の訴えを受け、バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2016)の会場で取材を受けた際、欧州委員会と「話し合い」を行っていると認めていた。ザウバーも、コンストラクターズでマクラーレン・ホンダを超え8位に入ったものの、分配金は5400万ドル(約58億3000万円)と、大幅に下回っている。

 今回の分配金9億6500万ドルは、前年の合計と比べ約9%のアップとなっている。