【4月1日 AFP】女子サッカーW杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)で優勝を飾った米国代表チームの5人が、女子も男子と同額の報酬を受け取る権利があるとし、31日、同国サッカー連盟(USSF)の対応を求めて、米雇用機会均等委員会(EEOC)に訴え出た。

 リオデジャネイロ五輪の開幕まで4か月、4大会連続の金メダル獲得を目指す米女子代表の選手は、報酬の男女格差是正を実現すべく、大きな一歩を踏み出した。

 W杯カナダ大会で最優秀選手に輝いたカーリー・ロイド(Carli Lloyd)は、NBCテレビの番組「トゥデイ(Today)」に出演し、「この数年間、自分たちの価値を証明してきたつもりです。W杯での優勝を受けて、報酬の男女格差が大きすぎると感じました。戦い続けたいと思います」と話した。

 今回訴え出た5人には、ロイドに加え、ミーガン・ラピノー(Megan Rapinoe)、ベッキー・ソーアーブラン(Becky Sauerbrunn)、ホープ・ソロ(Hope Solo)、アレックス・モーガン(Alex Morgan)が名を連ねている。EEOCは調査の後に結果を発表し、必要であれば関係者に対応を求めることになる。

 ソーアーブランはツイッター(Twitter)上に、「書面には5人が署名しましたが、正式に訴え出るのはチーム全員の意向です」と投稿した。

 米女子代表が、昨年のW杯カナダ大会で優勝を飾ったのに対し、米男子代表は、一昨年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)で決勝トーナメント1回戦敗退に終わっている。

 しかし、優勝した女子代表に支払われた賞金は、選手と関係者の分を合わせて200万ドル(約2億2400万円)。一方で、ベスト16に終わった男子代表には、900万ドル(約10億800万円)が与えられた。

 15年にわたって米女子チームの守護神を務めるソロは、「数字がすべてを物語っている」とすると、「私たちは世界最高のチーム。W杯で3回優勝し、五輪で4回金メダルを獲得している。それなのに男子は、出場しただけで、優勝した私たちより多くの報酬を得ている」と続けた。

 ブラジルW杯で優勝したドイツの男子代表チームは、賞金として3500万ドル(約39億2000万円)を受け取っている。(c)AFP/Thomas URBAIN