【3月29日 AFP】世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2016)の開幕を30日に控え、浅田真央(Mao Asada)とパトリック・チャン(Patrick Chan、カナダ)は出場選手の中で最も優勝回数が多いものの、ともに復帰シーズンでのタイトル獲得は難しいとみられている。

 世界選手権で3回優勝している浅田とチャンが、自身の将来についてじっくり考えるために一時的に競技を離れた14-15シーズン以降、フィギュアスケート界の勢力図はすっかり様変わりした。

 男子では、2014年のソチ冬季五輪で金メダルを獲得した羽生結弦(Yuzuru Hanyu)と、昨年大会(ISU World Figure Skating Championships 2015)の覇者ハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez、スペイン)が、ショートプログラム(SP)で2回、フリースケーティング(FS)で3回の4回転ジャンプを取り入れ、技術面でのハードルを押し上げた。

 昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルでは、羽生が驚異の合計330.43点を記録。フェルナンデスも同じく圧倒的なパフォーマンスを披露して、今季300点超えを果たしている。

 カナダ・トロント(Toronto)で両選手を指導するブライアン・オーサー(Brian Orser)コーチは、「ユヅ(羽生)を破るのは難しいと思うが、肩を並べるスコアを出せる者は一人だけいる。それは、ハビ(フェルナンデス)だ」とコメントした。

 女子では、昨秋競技に復帰した浅田の前に、同胞の宮原知子(Satoko Miyahara)、そしてロシア勢のエフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)とエレーナ・ラディオノワ(Elena Radionova)が立ちはだかっている。

 ジュニア時代にメダルを手にしてきた10代の3人は、その優れた技術と安定した演技で、シニアの世界でも新世代のトップ選手として地位を確立した。