■チャン「自分は伏兵」

 世界フィギュアでは、浅田が2014年、チャンが2013年にそれぞれ最後のタイトルを手にしているとはいえ、両者が再びその栄光を取り戻すには険しい道が待っている。

 チャンは、米ボストン(Boston)でライバル勢が思わぬ落とし穴に遭遇しない限り、技術点で差を縮めるのは不可能だと認めている。今大会で、優勝候補らが4回転ジャンプを5回跳ぶのに対し、チャンは3回しか予定していないからだ。

「僕は伏兵のような立場と言えるかもしれない。だから、何だかわくわくしているよ。これまでとは、一味違う世界フィギュアになるからね」

 歴代の王者が大会連覇の難しさを実感する中、フェルナンデスは再び栄冠を手にすることについて、特に重圧を感じてはいないと強調している。

「良いパフォーマンスを披露してタイトルを守れるよう努力するけど、たとえ再び世界王者になれなくても、それで世界が終わるわけじゃない」

 フェルナンデスはこの2か月間、骨盤の周りの筋肉が炎症を起こす問題に直面していたが、練習には支障をきたしていないと話している。

 女子では、昨年の世界ジュニアを制したメドベデワが、GPファイナルと欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2016)で優勝を果たした勢いに乗っているが、昨年大会で銀メダルを獲得した宮原も、成績では決して引けを取っていない。