【3月23日 AFP】中国当局が、有効期限が切れているなどした違法ワクチンをめぐり、少なくとも37人の身柄を拘束し、13社の卸売業者を調査している。国営新華社(Xinhua)通信が23日、報じた。

 新華社通信によれば、数千万ドル(数十億円)相当のワクチンが、違法かつ不適切に保管、輸送、販売されていた。多くのワクチンは有効期限が切れていたという。

 新華社通信は捜査当局の情報として、主犯格とみられるのは東部・山東(Shandong)省出身の母娘だと報じている。

 医薬品規制当局の発言を報じている中国の有力経済誌「財経(Caijing)」によれば、この母娘は小児と成人用のポリオや狂犬病、B型肝炎、インフルエンザなどのワクチンを違法に販売していたという。

 週末、山東省食品薬品監督管理局(Shandong Province Food and Drug Administration)はこの母娘にワクチンを供給していた業者107社と、母娘の顧客だった全国の小売業者193社を特定した。

 母娘が逮捕されたのは2015年4月だったにもかかわらず、当局が1年近くたった今月になってようやく事件を公表したことから、国民からは怒りの声が相次いでいる。

 世界保健機関(WHO)は、有効期限が切れ、不適切な方法で保管されていたワクチンの主な危険性は、それが直接的な害を及ぼすことよりも、予防効果を果たさないことにあると指摘している。(c)AFP