【3月23日 AFP】ロシアの裁判所は22日、紛争下のウクライナ東部でロシア国営テレビの記者2人が迫撃砲で死亡した事件に関与した罪に問われていたウクライナ軍の女性パイロット、ナディア・サフチェンコ(Nadiya Savchenko)氏(34)に懲役22年の有罪判決を言い渡した。判決により、ウクライナ政府および欧米諸国とロシア政府との対立は一層深まるとみられる。

 ウクライナ軍のヘリコプターパイロットとして同国東部で親ロシア派との戦闘に参加していたサフチェンコ氏は、自分はロシア人記者2人が死亡する前に分離独立を掲げる親ロシア派の戦闘員に拉致され、その後、違法にロシアへ移送されたと主張している。

 親欧米派のウクライナのペトロ・ポロシェンコ(Petro Poroshenko)大統領は「このような見せしめ裁判と、判決と称するものは到底受け入れがたい」として、サフチェンコ氏と首都キエフ(Kiev)で裁判を受けているロシア兵2人との交換を提案した。

 サフチェンコ氏の弁護団は、サフチェンコ氏は今回の「不法な」判決に上訴する考えはないと述べている。

 ウクライナ政府と同国と同盟関係にある欧米諸国はサフチェンコ氏の裁判について、クリミア(Crimea)半島を併合し、分離主義者の活動をあおっているとされるロシアのウクライナに対する敵対的な行為の1つとみている。(c)AFP/Anna MALPAS