■発想の源

 アンネは、1944年8月にナチスに見つかるまで、家族と他のユダヤ人4人とともに隠れ家で生活していた。その間に「アンネの日記」の他、短編の物語を複数書いていたとされる。

 スワンギャラリーの代表、ニコラス・ローリー(Nicholas Lowry)氏は「グリム兄弟の童話を収めたこの本から、アンネが多大な創造的刺激を受けていた可能性は非常に高い」として「この本はまさに、アンネの最初期の文学キャリアと、作家になりたいという夢がスタートした出発点なのだ」と述べた。

 ローリー氏によると、予想落札価格は2万~3万ドル(約230万~340万円)。手あかが付いたこの童話集は全148ページで、黒いシルエットの挿絵が入っているとされ、角が折られたページが数ページと、インクのしみが2、3か所あるという。

 スワンギャラリーによると、アンネの手書き文字が入った品物が競売にかけられるのは今回で3回目。前回の出品は約30年前だという。(c)AFP