【3月15日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の健康安全対策部門の幹部が14日、競技による頭部外傷と脳疾患の慢性外傷性脳症(CTE)との関連を認めた。二つの関連を認めたのは、NFLの幹部で初めて。

 NFL健康安全対策部門の副責任者であるジェフ・ミラー(Jeff Miller)氏は、米下院エネルギー・商業委員会の円卓会議で、激しくぶつかり合う競技であるアメリカンフットボールと、CTEなど神経変性疾患との因果関係の実際の有無について追及を受けた。

 ミラー氏はボストン大学(Boston University)の神経病理学者、アン・マッキー(Ann McKee)氏の研究を根拠に「確かにその通りだ」と回答。ただし、米国で最も人気の高いスポーツの将来に、それがどのような影響を及ぼすかについては不明だと述べた。

 長期的な脳障害に関するNFLの小委員会を率いる神経外科医のミッチ・バーガー(Mitch Berger)氏は、今年の第50回スーパーボウル(Super Bowl 50)を前に、アメリカンフットボールとCTEとの間に因果関係はないと述べていた。

 これに対し、イリノイ(Illinois)州選出のジャン・シャコウスキー(Jan Schakowsky) 下院議員は、競技で受ける頭部外傷の危険性をNFLが軽視し「安全に関する誤った認識を広めている」と批判した。(c)AFP