【3月14日 AFP】エジプトのシャリフ・イスマイル(Sharif Ismail)首相は13日、アハメド・ジンド(Ahmed al-Zind)法相の解任を発表した。理由は明らかにしていないが、ジンド法相は「預言者」の投獄も辞さないと発言して国民の強い反発を招いていた。

 民間衛星テレビ局サダ・アルバラド(Sada al-Balad)による11日のインタビューで、ジンド氏は同氏に対する名誉棄損に記者が問われた場合、投獄するかと尋ねられ、誰であろうと投獄すると回答。「たとえ預言者であってもだ」と述べ、「彼に神の平安と祝福あれ」と付け加えた。この一節はイスラム教徒が預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)に触れたときに述べる言葉だ。

 自分の発言の意味に気づいたジンド氏は即座に話を中断し、「神の許しを」と述べた。その上で「違法行為をはたらいた者は誰であろうと、有罪と認められれば投獄する。裁判官であってもだ」と言い直した。

 しかし、週末にかけてソーシャルメディアではジンド氏の発言に対する怒りが噴出。ツイッター(Twitter)ではハッシュタグ「#trial for Zind(ジンドを裁判にかけろ)」をつけた怒りのコメントが相次いだ。カイロ(Cairo)に本拠を置くイスラム教スンニ派(Sunni)の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)も同氏に警告を発した。

 エジプトで失言が理由で解任される法相は過去1年足らずで2人目。(c)AFP/Mona SALEM