【3月11日 AFP】為替相場の激しい上下動やインフレスパイラル、物価の急落などが、世界の生活費ランキングに変動をもたらしているとする年次調査結果が10日、発表された。ランキングでは、東京の順位が下がり、中国・上海(Shanghai)が急浮上した。

 英経済誌「エコノミスト(Economist)」の調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」がまとめた生活費指数によると、政情不安と世界経済の変動によって同ランキングが激しく入れ替わった。調査対象の133都市のうち、昨年と同じ順位にとどまったのは8都市のみだった。

 常に物価が高い日本の首都・東京は、過去20年間ほとんど常に同ランキングの首位に立っていたが、大幅な円安により一気に順位を下げた。東京は今回、世界ランキング11位で上海と同じ物価水準となった。その上海ではここ最近の物価高騰が消費者の懐を直撃している。

 またブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)は、通貨レアルの急落により相対的に生活費が下がったことを受け、順位を52ランク下げ113位だった。

 EIU編集者のジョン・コープステーク(Jon Copestake)氏は、調査に関わった約17年間のうち、2015年ほど変動が大きかった年はないと述べ、物価下落がデフレ圧力を招いた国々がある一方で、下落が原因で通貨安を招きインフレスパイラルに陥った国々もあったと説明している。

 アジアの複数の都市では、一般的な食料品価格が上昇傾向にあり、日常の食費は韓国ソウル(Seoul)が最も高かった。また欧州の都市では娯楽費が高い傾向があった。EIUによる世界の生活費ランキング上位10か国は以下のとおり。

1 – シンガポール

2 – スイス・チューリヒ(Zurich)、香港(Hong Kong

4 – スイス・ジュネーブ(Geneva

5 – 仏パリ(Paris

6 – 英ロンドン(London

7 – 米ニューヨーク(New York

8 – デンマーク・コペンハーゲン(Copenhagen)、韓国ソウル、米ロサンゼルス(Los Angeles

(c)AFP