【3月8日 AFP】女子テニス選手のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が7日、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)のドーピング検査で、検体が禁止薬物に陽性反応を示したと発表したことを受け、今年1月に世界反ドーピング機関(WADA)の禁止薬物リストに追加された禁止薬物「メルドニウム(Meldonium)」に注目が集まっている。

 シャラポワは同日、健康上の理由で2006年から同薬を医師に処方してもらっていたことを認めたものの、運動能力を向上させるためではないとしている。抗虚血薬として知られるメルドニウムは、ラトビアで製造され、心臓疾患の治療にも用いられているが、米当局からは承認されていない。

 メルドニウムの摂取により血流が増加し、持久性や運動後の回復時間が向上する可能性があることが分かっており、「運動能力の向上を目的にアスリートが使用していることを確認」したため、WADAは同薬を「経過観察」から「禁止」薬物に変更したという。

 同薬の禁止リスト入りは、昨年9月に承認され、今年1月1日から効力を発揮している。

 米ロサンゼルス(Los Angele)で行われたシャラポワの衝撃的な発表に先立ち、ソチ冬季五輪のフィギュアスケート団体戦で、ロシアの金メダルに貢献したアイスダンスのエカテリーナ・ボブロワ(Ekaterina Bobrova)が、1月に開催された欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2016)のドーピング検査で、メルドニウムに陽性反応を示したことを確認している。

 今月初めには、昨年の東京マラソンで優勝したエチオピア人選手、エンデショー・ネゲセ(Endeshaw Negesse)の検体から、同薬物が検出されたと報じられている。(c)AFP