【3月7日 AFP】独自動車BMWが7日、創業100周年を迎えた。

 BMWは1916年3月7日、第1次世界大戦(World War I)のさなかに産声を上げた。当初は「バイエルンの航空機製造工場」として航空機のエンジンを製造していたが、現在では年間売り上げ800億ユーロ(約10兆円)の巨大多国籍企業に成長した。世界14か国に工場を保有し、従業員の数は11万6000人を超える。

 主に自動車やオートバイを製造し、傘下ブランドには、英高級車ロールスロイス(Rolls Royce)やミニ(MINI)などがある。

 第1次世界大戦後、敗戦国ドイツは航空機製造が禁止されたため、同社は1922年、社名を「Bayerische Motoren Werke(バイエルン発動機製造会社)」として新たなスタートを切った。

 現在の同社ロゴに見られるプロペラの形は、当初航空機の製造をしていたことにちなむものだ。白と青の配色は、バイエルン地方の伝統的なカラーリングとなっている。

 BMWは、1923年に初のオートバイを製造。1928年に自動車の製造にも着手した。

 しかし、ナチス・ドイツ(Nazi)が権力の座に就くと、同社は航空機エンジンの製造を再開。1939年には強制収容所の人々を労働力として導入した。このことは、BMW史上における「最も暗い章」の一つとされている。BMWは、1980年代になって重い口を開き、初めてその事実に触れた。

 第2次世界大戦(World War II)後の荒廃するドイツで、同社は家庭用品の製造でどうにか生き延びた。1948年にオートバイ、その数年後に自動車の製造を再開している。

 1970年代~90年代には、国外進出を果たし、1994年に英ローバー(Rover)を買収。後に売却も「ミニ」ブランドは手元に残した。

 同社は現在、四輪駆動車やコンパクトカー、電気自動車(EV)「BMW i3」など、様々な製品を手掛けている。米グーグル(Google)やアップル(Apple)がパーソナルモビリティー市場を視野に入れるなか、BMWも2011年、ブランド「BMWi」ブランドを立ち上げた。(c)AFP/Estelle PEARD