【3月7日 AFP】米大リーグ(MLB)機構は6日、昨季のプレーオフで危険なスライディングを行い、2試合の出場停止が科されたロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)のチェイス・アトリー(Chase Utley)に対する処分を取り下げた。これにより、アトリーは今季開幕戦から試合に出場することが可能となった。

 昨年10月に行われたニューヨーク・メッツ(New York Mets)とのナ・リーグ地区シリーズ第2戦で、アトリーは併殺を阻止しようとメッツの遊撃手ルーベン・テハダ(Ruben Tejada)にスライディングを仕掛けた。テハダはこのプレーで右脚を骨折した。

 アトリーへの処分取り下げについてテハダは6日、「全然構わない。気にしていないよ。気にしているのは自分自身のことだけだ。私は健康な状態でここにいる。ここにいてハッピーだ。だから何が起きても、どんな決定が下されても関係ない」と語った。

 MLBで競技運営の最高責任者を務めるジョー・トーリ(Joe Torre)氏は、アトリーのスライディングについて、「ベースから離れた場所で起きた妨害行為」として、ルールに反するとの見解を示している。

 当時のスタジアムとホテルでは、処分に提訴したアトリーの態度を不服とするファンから同選手を守るための厳戒態勢が敷かれ、アトリーはニューヨーク(New York)で行われた第2戦以降の試合を欠場した。

 MLBと選手団体は先月、併殺を阻止するための今回のようなスライディングを禁止する新たなルールを採択した。メッツのサンディ・アルダーソン(Sandy Alderson)ゼネラルマネジャー(GM)は、「最も重要なのはルールが変わったということ」とコメントした。

 アトリーはシーズンオフに1年700万ドル(約8億円)でドジャースと再契約し、今季は二塁手か三塁手としてプレーするとみられている。(c)AFP