【2月27日 AFP】米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(69)に対し、元ライバル候補で既に撤退を表明したニュージャージー(New Jersey)州のクリス・クリスティー(Chris Christie)知事(53)が26日、正式に支持を表明した。反トランプ勢力にとっては大きな後退となる。

 テキサス(Texas)州フォートワース(Fort Worth)でトランプ氏と共に会見したクリスティー知事は、かつて民主党に真っ先に敗北する候補だとやゆした相手について、「米国と世界の両方で、ドナルド・トランプ氏よりも強いリーダーシップを米国民に提供できる候補者はいない」と評価。トランプ氏こそ、今年11月の大統領選で民主党に勝つための最善の選択だと述べた。

「共和党にとって一番大事なのは、(民主党の大統領最有力候補)ヒラリー・クリントン(Hilary Clinon)氏を打ち負かせる人物を指名することだ」

「11月にヒラリー・クリントン氏に勝利できるのは、ドナルド・トランプ氏しかいない。だから私は今日、彼を支持することを喜んで表明する」

 クリスティー氏は民主党支持者の多いニュージャージー州で知事を務める中道派で、連邦検事経験もあり、一時は共和党の最有力大統領候補と目されていた。しかし、アイオワ(Iowa)州の予備選で10位、ニューハンプシャー(New Hampshire)州で6位と結果がふるわず、今月10日に大統領選撤退を表明していた。

 一方、トランプ氏はこれまで3州で勝利しているが、共和党の大物から支持を得るのはこれが初めて。クリスティー氏の支持表明は多くの票には結びつかないとみられるが、11州で党員集会が行われる指名争いの山場「スーパーチューズデー(Super Tuesday)」を来月1日に控え、党内の反トランプ勢力にとっては大きな後退といえる。(c)AFP