【2月22日AFP】イスラエル政府のホロコースト追悼記念館「ヤド・バシェム(Yad Vashem)」は21日、ナチス・ドイツ(Nazi)のトレブリンカ(Treblinka)強制収容所で起こった反乱の最後の生存者が死去したと発表した。

 死去したのは、ポーランド出身のサムエル・ウィレンバーグ(Samuel Willenberg)さん(93)。同記念館によると、この強制収容所が運営されていた1942年7月から1943年8月までの13か月間に、約87万人のユダヤ人が殺害されたという。

 ウィレンバーグさんら約200人の収容者らは1943年8月2日、収容所内にあったナチス親衛隊(SS)の武器庫に押し入り、親衛隊員らに発砲、収容所の建物に火を放った。

 同記念館のウェブサイトによると、収容者らはその後、強制収容所の柵に殺到し脱出を試みたが、そのほとんどは監視塔からの銃撃を受けてその場で死亡。脱出に成功した者たちも、捕らえられ銃殺されたという。

 脱出を試みた約750人のうち、生き延びて解放を見届けたのは70人程度。ウィレンバーグさんも足に銃弾を受けたが、どうにか生き延び、ポーランドの地下組織に参加したという。

 19日に死去したウィレンバーグさんは、22日にイスラエル中心部に埋葬される予定。(c)AFP