【2月15日 AFP】受刑者間の衝突による暴動で49人が死亡したメキシコの刑務所に、簡易サウナや大型水槽が備わった複数の「豪華監房」や、受刑者が運営するバーがあったことが分かった。メキシコ当局が14日、明らかにした。

 12日に暴動が起きた同国北部ヌエボレオン(Nuevo Leon)州の工業都市モンテレイ(Monterrey)にあるトポチコ(Topo Chico)刑務所では、麻薬密売と所内の安全対策を怠った容疑で所長と看守長が逮捕され、訴追された。

 州政府によると、暴動を制圧した警察は刑務所内で、エアコンからミニ冷蔵庫、鑑賞魚用の水槽や簡易サウナまで備わった複数の「豪華監房」を発見した。これらの備品はすべて当局が押収した。さらに所内には、受刑者たちが運営する食べ物の屋台やコンビニ、バーまであった。

 受刑者の家族らの話によると、刑務所が支給する食事は質が悪く、受刑者たちはしばしば高い料金を払って飲み物や食べ物を買っていた。

 州検察当局によると、麻薬密輸組織「セタス(Zetas)」のリーダー、「エル・クレド(El Credo)」ことイバン・エルナンデス・カントゥ(Ivan Hernandez Cantu)受刑者の独房には、キングサイズのベッドや大型液晶テレビ、豪華バスルームが備えられていた。暴動発生時、カントゥ受刑者はこの独房で女性と一緒にいた。

 暴動のきっかけは、カントゥ受刑者と「セタス」のもう1人のリーダー、「Z-27」ことフアン・ペドロ・サルディバル・ファリアス(Juan Pedro Zaldivar Farias)受刑者が、刑務所内の縄張りをめぐり口論となったことだったという。(c)AFP