【2月8日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は7日、北朝鮮によるロケット打ち上げを受けて非公開の緊急会合を開き、打ち上げを強く非難する声明を発表した。また、過去の安保理決議に対する「危険で深刻な違反」だとして、北朝鮮に新たな制裁を科すために迅速に行動することで一致した。

 北朝鮮は同日、ロケット打ち上げにより人工衛星を軌道に投入したと発表。北朝鮮はこの打ち上げについて、宇宙探査計画の一環と主張しているが、米国とその同盟国は事実上の弾道ミサイル実験だとみている。

 北朝鮮は数週間前に4度目の核実験を強行したばかり。それに続く今回のロケット打ち上げはあからさまな挑戦的行為とみられている。

 安保理は、北朝鮮の同盟国である中国の支持も受けて、北朝鮮に対して再び「重大な措置」を取ることを求めた。

 フランスのフランソワ・デラットル(Francois Delattre)国連大使は「国際的な核不拡散体制の未来にかかわる」と述べ、弱腰な対応は選択肢にならないとの認識を示した。

 北朝鮮の核実験を受けて日米韓が作成した制裁決議案は数週間にわたって交渉が行われているが、中国は既に脆弱(ぜいじゃく)な北朝鮮の経済を狙った措置の支持に消極的だ。安保理は決議案を「迅速に採択」するとしているが、中国が制裁強化に応じる兆しはみられない。

 中国の劉結一(Liu Jieyi)国連大使は、新しい決議は「緊張の低減、非核化への努力、平和と安定の維持、交渉による解決の奨励」に寄与するべきだと主張している。

 これに対して、米国のサマンサ・パワー(Samantha Power)国連大使は、追加制裁は「新たな段階に踏み出すもの」と強調。日本の吉川元偉(Yoshikawa Motohide)国連大使も、中国はさらなる対話を呼びかけているが、必要なのはもはや対話ではなく、「圧力」だとの見方を示した。

 一方、ロシアのビタリー・チュルキン(Vitaly Churkin)大使は、「北朝鮮の経済崩壊を狙うべきではない」と警告した。

 中国は、北朝鮮が核保有への野望を抑制することを拒絶したため激怒している。とはいえ中国が最も懸念しているのは、北朝鮮の体制が崩壊し、米国と同盟する統一朝鮮が隣国として出現する可能性だ。(c)AFP/Carole LANDRY / with Jung Ha-Won