【2月5日 AFP】英テレビのコメディー映画で、米歌手マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)役を演じることが決まった英国人俳優のジョセフ・ファインズ(Joseph Fiennes)さんが、役を引き受けた自らの決断についてAFPTVとのインタビューで語った。英白人が米黒人スーパースターを演じることをめぐり、一部では大きな反発が起きている。

 ファインズさんは伊ローマ(Rome)で4日に行われたインタビューで、ジャクソン役に選ばれことについて「驚いた」と述べた。しかしその一方では、作品が「単なる風刺」であって「素晴らしい役」を引き受けることになんら不安はないとも付け加えている。

 注目が集まっているのは、英有料TVチャンネル、スカイアーツ(Sky Arts)製作のシュールな短編コメディ映画『Elizabeth, Michael and Marlon(原題、エリザベス、マイケル&マーロン)』。同作品は、2001年9月11日に起きた米同時多発テロ事件直後に、M.ジャクソンと米女優エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)、そして俳優マーロン・ブランド(Marlon Brando)が、ニューヨーク(New York)からロードトリップに出るという内容だ。

 同作品での配役をめぐっては、2年連続で主要なアカデミー演技賞に黒人候補が入っていないことに端を発した論争から、主要メディアが何も学んでいないとの批判も出ている。

 AFPTVとのインタビューでファインズさんは、「僕のところにその配役の話が来たときは驚いた。なぜ僕にその役を演じて欲しいのか、聞く必要があった」と述べた。しかし、自分の配役について批評家らが感情的になっているのは、作品の重要性を過大評価しているためではないのかとしながら、「これは素晴らしい役だと感じた。台本を読んだらとてもおかしかった」と付け加えている。

「風刺だよ、わずか20分の風刺。伝説でも、実話でもあり得る物語の寸劇だ。視聴者の皆さんがどう受け取るか楽しみだね」

(c)AFP/Ella IDE, Laure BRUMONT