【1月21日 AFP】シリアとイラクでイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と戦う有志連合に参加する米英仏など7か国の国防相が20日、仏パリ(Paris)で会談し、ISの「権力の中枢」を壊滅させることで一致した。

 アシュトン・カーター(Ashton Carter)米国防長官は会談後、「(シリアの)ラッカ(Raqa)と(イラクの)モスル(Mosul)にあるISの権力の中枢2つを壊滅させ、ISIL(ISの別称)という腫瘍の世界中への転移と闘う」と表明。ISを「がん」にたとえ、撲滅に決意を示した。

 フランスのジャンイブ・ルドリアン(Jean-Yves Le Drian)国防相は記者会見で、「ダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)は後退しつつある。一貫した軍事戦略を実行してわれわれの共同の取り組みを強化すべきときだ」と語った。

 会談には米英仏のほか、オーストラリア、ドイツ、イタリア、オランダの国防相が出席した。カーター国防長官は、対IS有志連合に参加する26か国とイラクの国防相による前例のない会議を3週間後にベルギーのブリュッセル(Brussels)で開くことも発表。対応の一段の強化を求めていく考えも示した。

 一方、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は20日、スイスのチューリヒ(Zurich)でジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官と会談した後、シリアの和平協議が「向こう数日のうちに」始まるとの見通しを明らかにした。(c)AFP/Laurent BARTHELEMY/Eric RANDOLPH