【1月15日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)の開幕を控え、故障者が続出する事態に直面している女子テニス界では、WTAツアーの年間スケジュールの改革を求める声が高まっている。

 女子テニスでは現在、トップ10の選手のほとんどが大きな不運もしくは回避できる理由で、故障か体調不良に見舞われている。

 その筆頭が世界ランク1位のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)だ。男女混合国別対抗戦の第28回ホップマンカップ(Hopman Cup XXVIII)では、膝の炎症により出場を辞退した。

 しかし、故障を抱えているのは四大大会(グランドスラム)通算21勝を誇るセレーナだけではない。女子の世界ランク10位以内の選手で目立ったけががないのはヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)と現役を引退したフラビア・ペネッタ(Flavia Pennetta、イタリア)氏だけだ。

 シモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)、ガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は、故障を理由に全豪オープンの前哨戦を棄権している。ペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)とアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)は胃腸炎になり、ルーシー・サファロバ(Lucie Safarova、チェコ)は細菌感染による体調不良で大会を欠場することになった。

 体調不良は不可抗力だとしても、セレーナやハレプ、シャラポワが昨季から故障に悩まされている原因は、終盤に多忙を極めるWTAツアーのスケジュールだとみられている。男子では比較的に問題が軽いことから、女子ツアーのスケジュールは選手から批判の声が何度も上がっている。

 WTAのスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は、昨季の終盤にかけてけがを理由にツアーを欠場する選手が続出したことを受け、過密スケジュールに「根本的な変更」を加えると約束している。

 サイモンCEOは昨年、シンガポールで行われたシーズン最終戦のWTAツアー選手権(BNP Paribas WTA Finals Singapore 2015)で、「現在直面している問題の一つは、選手たちが健康を維持したままシーズンを過ごせるかということです」と語っていた。