【12月28日 AFP】スリランカのマイトリパラ・シリセナ(Maithripala Sirisena)大統領は27日、スペインのポップ歌手、エンリケ・イグレシアス(Enrique Iglesias)さんが首都コロンボ(Colombo)で最近行ったコンサートが「野蛮」だったとして、主催者は「毒のあるアカエイの尾でむち打ち」されるべきだと語った。

 問題となっているのは、イグレシアスさんが20日にコロンボで行ったワールドツアー「ラブアンドセックス(Love and Sex)」のコンサート。熱狂した地元の女性たちが舞台に駆け上がり、彼女たちの「英雄」である歌手に抱きついてキスした他、自分の下着を投げた人もいた、とシリセナ大統領は東部アンパラ(Ampara)県の集会で指摘した。

「これは最も野蛮な振る舞いであり、われわれの文化に反する」と述べ、「私は、自分のブラジャーを外した下品な女性たちに対して毒のあるアカエイの尾でむち打ちされるべきと言っているのではない。このようなイベントを開催した人たちに対して言っているのだ」と付け足した。

 アカエイの尾を用いたむち打ちは、中世スリランカで犯罪常習者に対して行われたもので、現在では、不正行為に対する極刑を意味する慣用句として一般的に使用されている。

 保守的なスリランカ社会では、たとえ夫婦であっても、人前での愛情表現は周囲から冷ややかな目で見られる。公園や海沿いの遊歩道でキスしていた恋人たちを、警察が逮捕したこともあるという。(c)AFP