【12月17日 AFP】五輪金メダリストの競泳選手である朴泰桓(Tae-Hwan Park、パク・テファン、韓国)にステロイド(steroid)を投与し、18か月の出場停止処分に追い込んだ韓国人医師が17日、100万ウォン(約10万円)の罰金処分を科された。

 キム(Kim)という名字のみが明らかにされている女性医師は、医師法違反で有罪となったものの、過失傷害では罪に問われなかった。

 26歳の朴は、昨年9月のドーピング検査で検体が陽性反応を示し、国際水泳連盟(FINA)から18か月の出場停止処分を科されているため、来年のリオデジャネイロ五輪出場が危ぶまれている。

 五輪で4つのメダルを獲得している朴がFINAの聴聞会で無実を証明しようと奮闘する中、キム医師は法廷で「スケープゴートにされた」と訴え、朴が2013年12月と2014年7月に病院を訪れた際、男性ホルモンとビタミン剤の投与を十分に認識していたと主張していた。

 先月の最終弁論でもキム医師は、「それから朴選手は自ら薬剤を選んでいたので、エージェントぐるみで(ドーピング違反の可能性について)巧みに対処していると思った」と証言している。

 キム医師の弁護士によれば、朴の体内におけるテストステロン(testosterone)値が通常よりも低かったため、ネビド(Nebido)の注射で値を上げようとしたという。

 キム医師は、診察記録に一連の注射に関する記載を残しておらず、これが韓国の医師法に抵触したが、業務の継続は認められている。(c)AFP