【12月17日 AFP】米国土安全保障省は16日、「国家テロ警報システム(NTAS)」の警戒レベルに「速報(bulletin)」を新設した。従来の2段階の警戒レベルより低いテロの脅威に関する情報を米国民に発信するのが狙い。

 2001年に導入されたNTASではこれまで、警戒レベルは「高度」と「緊急」の2段階で構成されていたが、テロの脅威が基準に満たず、一度も警報が発令されたことはなかった。国土安全保障省によると、従来の警報の下に新設された「速報」は「テロの脅威に関するより広範・一般的な動向」を伝えるため使用される。

 同省は16日、初の「速報」を発信した。この警戒レベルは来年6月16日まで効力を持つ。

 米当局は、信頼できる明確な米国へのテロの脅威はないとの見解を改めて強調しつつ、今回の「速報」は「世界的な脅威の情勢の新たな局面」について警告するものだと指摘。「特に、テロリスト集団がインターネットを使って信奉者を増やし、勧誘を行う傾向が強まる中で、『独自に過激化した』人物がほとんど前触れのない攻撃を実行し得ることについて懸念している」と述べている。(c)AFP