【12月11日 AFP】あのクエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)ですらウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)にはかなわない――。英国の劇団がこのほど、シェークスピアの戯曲に出てくる死の場面のうち、舞台上で死を迎える74の場面全てを一つの作品で上演する新作を準備していることを明らかにした。

The Complete Deaths(完全な死)」と題するこの作品を上演するのは、高い評価を受けている英コメディ劇団の「スパイモンキー(Spymonkey)」。英イングランド(England)南部のブライトン(Brighton)で来年5月にワールドプレミアを行う予定だ。

 作品で取り上げられる死には、血で血を洗う復讐が展開される「タイタス・アンドロニカス(Titus Andronicus)」の場面や、「ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)」の恋人たちや「アントニーとクレオパトラ(Antony and Cleopatra)」の登場人物の悲劇的な自殺の場面などが含まれる。

 報道機関向け発表によると、上演時間90分のこの作品では「数えきれないほどの刺殺、多くの斬首、数件の毒殺、2件の集団襲撃による殺害、1件の絞殺」が扱われるという。

 英国は来年、同国が輩出した最も有名な文豪であるシェークスピアの没後400周年を祝う。上演される死はいずれも、シェークスピア作品の最も有名な表現の一つ「死は誰にでも訪れる」の正しさを証明する形となる。(c)AFP