■浅田は「心をリセット」

 2010年に開催されたバンクーバー冬季五輪で銀メダルを獲得した浅田は、2005年、2008年、2012年、そして2013年に続いて大会制覇を果たせば、優勝回数でイリーナ・スルツカヤ(Irina Slutskaya、ロシア)氏を抜いて歴代最多となる。

 25歳の浅田は、宮原知子(Satoko Miyahara)をはじめ、グレイシー・ゴールド(Gracie Gold)とアシュリー・ワグナー(Ashley Wagner)の米国勢、エフゲニア・メドベデワ(Evgenia Medvedeva)とエレーナ・ラディオノワ(Elena Radionova)のロシア勢といった強力なライバルに挑むことになる。

 中国杯で優勝したものの、NHK杯で3位に終わった浅田は、「とても悔しかったです」と話し、「この経験を生かして、ファイナルでは精いっぱいやりたい。スケートと心をリセットしています」と語った。

 一方、昨季のGPファイナルを制したエリザベータ・トゥクタミシェワ(Elizaveta Tuktamysheva、ロシア)は、スケート・カナダで2位、エリック・ボンパール杯で5位に終わり、最終戦の出場権を逃している。

 トゥクタミシェワの不在により、ともに16歳のメドベデワとラディオノワが、前回大会で2004年以来となる女子シングルのタイトルを獲得したロシア勢による大会2連覇を目指すことになる。

 メドベデワは、「今回がシニア1年目で、私にとっては最初から何もかもが困難の連続です」と語った。

「だけど、2試合を終えて心配する理由は何もないと実感しました。ロシア杯では、自分が必要としていた大きな自信がつきましたから」

 昨季の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships 2015)で銅メダルを獲得したラディオノワも、「今季は故障を抱えたままスタートしました。ロシア杯で優勝したことで恐怖を克服し、自信を取り戻せました」とコメントした。

 会場のバルセロナ国際コンベンションセンター(Barcelona International Convention Centre)では、カナダ勢にも期待が集まっており、ペアではメーガン・デュアメル(Meagan Duhamel)/エリック・ラドフォード(Eric Radford)組、アイスダンスではケイトリン・ウィーバー(Kaitlyn Weaver)/アンドリュー・ポジェ(Andrew Poje)組が、それぞれ大会連覇を目指している。(c)AFP/Emmeline MOORE