【12月8日 AFP】男子テニス元世界1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は7日、過去10年で最低とも言えるシーズンを乗り越え、2016年は進化したプレーを披露したいと語った。

 29歳のナダルは、現在世界ランク5位。10月以降は、トップ10選手の多くを破るなどシーズン終盤に復調し、来年に向けて万全の体調を維持して好成績を収めることを誓っている。

 ナダルはフィリピン・マニラ(Manila)の報道陣に対して、「今年は最高のシーズンを送れなかったことは確かだけど、世界5位につけているのだから、実際には最悪というわけではない」とコメントした。

「(世界1位の座を)取り戻せるか分からない。(だけど)主要大会で戦えるよう懸命に努力しているし、それを実現させるためにとてもハードな練習を行っている」

 ナダルは、膝やハムストリング、腰など、度重なる故障に見舞われただけでなく、2014年の終盤には虫垂炎の手術を受けた。

 さらに、今シーズンは全仏オープン(French Open)での連覇が途絶えると、世界ランクも10位に後退。ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2015)と全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2015)でも、早期敗退の屈辱を味わうことになった。

 しかし、全仏での優勝9回など四大大会(グランドスラム)通算14勝のナダルは、それ以降調子を取り戻している。

 ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2015)のラウンドロビンで、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)、ダビド・フェレール(David Ferrer、スペイン)、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を撃破したナダルは、準決勝で惜しくも世界1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に敗れている。 

 ナダルは、「今シーズンは、とても良い終わり方ができたと思う。この調子で続けていきたいね」と語った。

 今週ナダルはフィリピンを訪れ、通常より短縮された形式で試合が行われるインターナショナル・プレミア・テニス・リーグ(International Premier Tennis LeagueIPTL)に出場している。

 ナダルは、イワン・ドディグ(Ivan Dodig、クロアチア)と組んだ男子ダブルスで、世界6位のトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)と、ダニエル・ネスター(Daniel Nestor、カナダ)のペアに6-3で勝利すると、男子シングルスでもベルディハを6-5で退けた。

 来年30歳になるナダルだが、偉大なライバルであるロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)がツアーでの選手生命を永らえているように、プレースタイルを調整する時期がきたのではとする忠告を一蹴している。

「僕はフェデラーではなく、ラファエル・ナダルだ。彼には彼のスタイルがあり、僕には自分のスタイルがある。キャリアの中で多くの物事を修正しようと努力し、選手としてさらに成長するために懸命に練習しようとしている」

「そして、選手として成長していることが確かなら、長くプレーするチャンスを得られるだろう」

 日本で開幕したIPTLは、フィリピンでのラウンドを終えた後、インド、ドバイ(Dubai)、シンガポールを回る予定で、ナダルは試合を通して2016年に備えるとしている。

 来月には、過去1度優勝している全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)に出場する予定となっている。(c)AFP