【12月2日 AFP】このところ勝ち星から見放されているイタリア・セリエA、ASローマ(AS Roma)のサポーターが1日、選手にニンジンをプレゼントするという方法で怒りの抗議を行った。

 この日、トリゴリア(Trigoria)の練習場を訪れた約50人のサポーターは、ビタミンAたっぷりの野菜を詰めた箱を手にしていた。

 一風変わったその差し入れの意図は、彼らが手にしていた「ウサギさんたち、さあお食べ」という横断幕を見ればわかる。イタリア語でウサギは「コニーリオ(Coniglio)」というが、この言葉には「臆病」という意味もあるのだ。

 ローマは先月24日に行われた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)で、FCバルセロナ(FC Barcelona)に1-6の大敗を喫した。さらに29日のリーグ戦では、アタランタ(Atalanta)に0-2で敗れ、ルディ・ガルシア (Rudi Garcia)監督にかかる重圧が増している。

 バルセロナ戦の敗戦により、ローマはチャンピオンズリーグのグループ突破に向けて予断を許さない状況が続いている。そして、昨季まで2シーズン連続でユベントス(Juventus)に次ぐ2位に終わっているリーグ戦でも、アタランタに敗れたことで、首位ナポリ(SSC Napoli)と勝ち点4差の4位に後退した。

 イタリアで果物や野菜とサッカーが抗議のコラボを果たすのは、これが初めてではない。

 有名なところでは、1966年のW杯イングランド大会で、イタリア代表が北朝鮮に敗れてグループリーグ敗退に終わった際、帰国する選手たちに腐ったトマトが投げつけられている。

 とはいえ、今回のローマサポーターの行動は、しゃれのきいた抗議という点では詰めがあまかったかもしれない。というのも、野生のウサギはニンジンを食べないのだ。おそらくアニメなどの影響で、ウサギはニンジンが大好きだと思い込んだのだろう。(c)AFP