【12月1日 AFP】ボクシングのIBF・WBA・WBOヘビー級タイトルマッチで、ウラディミール・クリチコ(Wladimir Klitschko、ウクライナ)を破った新王者のタイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が30日、薬物違反の罠を警戒して更衣室の飲料水を口にしなかったため、試合後に脱水症状となったことを明らかにした。

 フューリーは試合前の下馬評で評価が低かったもの、先月28日に行われたクリチコ戦では判定勝ちを収め、統一王座のベルトを奪取している。

 しかし、30日に英ボルトン(Bolton)で記者会見に臨んだ27歳のフューリーは、不正行為を受ける可能性が頭を離れず、ドーピングになる恐れがあるとして、試合当日は自らが購入したもの以外は飲まなかったと語った。

 フューリーは報道陣に対し、「信頼できる情報源から、君に禁止薬物を摂取させようとする人物がいるかもしれないので、更衣室の飲み物には手をつけないほうがいいと聞かされていた」と話している。

「誰かが俺に水を渡そうとしても、それが未開封であり、自分の荷物に入っていたものでなければ、絶対に飲むなとね」

「脱水状態のまま帰宅し、飲食物に手をつけた。薬物検査で違反が発覚するのをすごく恐れ、誰からも飲み物や食べ物は受け取りたくなかった」

 フューリーはまた、試合中にもクリチコ陣営から反則すれすれの行為を受けていたと主張している。

「彼らはグローブに仕掛けをしていて、俺に間違ったものを渡そうとしていた。それらは俺が同意したグローブと同じものではなかったんだ」

「それから、彼らはリング全体に6インチ(約15センチ)ほどの衝撃吸収マットを設置していた。それで激しく口論となり、もう少しで試合が中止になるところだった」

「そして更衣室に入る前に、彼はバンデージをしていて、それを全部ほどく必要があった」