【11月23日 AFP】ラグビー元オールブラックス(ニュージーランド代表)で、先日急死したジョナ・ロムー(Jonah Lomu)氏の死因は、長時間のフライトによるエコノミークラス症候群である可能性が高いことが、主治医によって明らかにされた。

 オールブラックスの元ドクターで、ロムー氏の腎臓病の治療にも関わったジョン・メイヒュー(John Mayhew)氏は、40歳の若さでこの世を去ったロムー氏が、長時間のフライトにより生じた血栓が原因で亡くなった可能性が高いとの見解を示している。

 家族に代わってロムー氏の死去を発表したメイヒュー氏によると、腎臓病を患っていたロムー氏にとって、それが命取りになってしまったと語っている。

 ロムー氏はW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で愛するオールブラックスの優勝を見届けたあと、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)を経由し、母国ニュージーランドのオークランド(Auckland)に到着した。

 亡くなる前のロムー氏について、メイヒュー氏は英国放送協会(BBC)に対し、「ドバイを経て英国から帰国したときは元気そうにみえた」と述べた。

「ロムー氏の死因について、私たちは長時間のフライトで肺にできた血栓による合併症の可能性が最も高いと考えています。血栓は腎臓病を患っていたジョナにとって、大きなリスクになります」

 メイヒュー氏はまた、自分自身に何が致命的になったのかをロムー氏は分からなかったはずだと話している。

「一瞬の出来事で、彼は何が起きたのか分からなかったと思います。これらは腎臓病を抱える人に起こりうる悲劇的な合併症の一つです」

 米疾病対策センター(US Center for Disease Control)は、長時間のフライトで静脈に血栓が生じる静脈血栓塞栓症に陥る危険性が高くなると注意を促しており、持病を抱えていればその危険はさらに高くなるとしている。

 多くの航空会社は、血栓が生じるのを防ぐため、乗客にできるだけ客室内を歩き回るか、弾性ストッキングの着用を勧めている。(c)AFP