仏南西部の「青い金」、復活した染料「大青」 薬効も
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■どんな繊維でも高貴にする魔法
1450年から1600年にかけて、トゥールーズとアルビ(Albi)、カルカソンヌ(Carcassonne)を結ぶ黄金三角地帯にある「パステリエ」、つまり大青の染料業界は、輸入された藍に押されるまで活況を呈していた。
残念ながら、ウォードの葉をすってペースト状のボール(フランス語で「コカーニュ」)にまとめ、発酵させ乾かすという昔ながらの抽出方法はほとんど残っていない。
シメオンランベールさんは夫と辛抱強く他の方法を模索し続け、最終的に「ナポレオン軍の兵士らの制服を染めるのに使われていた、19世紀、つまり大青が短期間一時的に命を吹き返した時代の製法に類似した」ものにたどり着いたという。
現地で「ロゼット」として知られるパステルの葉をまず、水に24時間漬けて色素を溶出させる。この時点ではまだ無色の液体を酸化おけに入れると、 空気と接触して色素の構造が変化し、青く固い結晶ができる。この不溶性の「青い金」をさらに加工していくと、最終的に染料として使えるようになる。
「気まぐれな青ですが、類いまれな長所を持っています。どんな布のどんな繊維でも高貴なものに変え、決して消えることがないのです」とシメオンランベールさん。
従業員が染色バットからタオルを取り出すと、空気に触れ数秒のうちに黄色から緑に、そして最終的にはっきりした青に変わっていった。
シメオンランベールさんは、「見てください、これがまさにこの秘法がもたらす魔法です!」と叫んだ。(c)AFP/Constance DE CAMBIAIRE