【11月22日 AFP】ギリシャの首都アテネ(Athens)で21日、同国1部リーグ第11節、パナシナイコス(Panathinaikos)対オリンピアコス(Olympiacos)の「ギリシャ・ダービー」が予定されていたが、暴動が起きたため試合前に中止が発表された。

 アンドレアス・パッパス(Andreas Pappas)主審は、試合会場のアポストロス・ニコライディス・スタジアム(Apostolos Nikolaidis Stadium)の内外で起きた暴力行為を考慮し、試合開始予定の30分後に中止を決定した。

 この決定が観客に発表された直後、多くのファンがピッチに乱入し、警察機動隊と衝突している。 警察が催涙ガスを使用すると、ファンは発煙筒をピッチに投げ込んだため、チケット完売で2万3000人の観客が押し寄せたスタジアムは、息苦しい空気に包まれた。

 スタジアムに設置されたプラスチック製の座席は破壊され、不満を募らせたファンがピッチに投げ込み、一部のファンはロケット花火のようなものも使用した。

 警察側は少なくとも5人が逮捕されたと発表しており、報道ではけが人が多く出たと伝えられている。

 キックオフの2時間前には、スタジアムの外にいた警察とパナシナイコスのファンが衝突していた。ファンが警察に石やがれきを投げると、警察はその10分後に催涙ガスで応戦した。

 警察はまた、スタジアム内にある選手の通用路付近でもファンと衝突しており、スタンドから投げ入れられたプラスチックのいすが直撃した警官1人が病院に運ばれている。

 アウェーのオリンピアコスの選手がピッチに登場すると、パナシナイコスのファンはためらうことなく4本の発煙筒を選手に向けて投げ入れた。

 オリンピアコスのサッバス・セオドリディス(Savvas Theodoridis)副会長は、試合を中継したギリシャのノヴァTV(Nova TV)に対し、「試合は開催されるべきではなかった。われわれは無法地帯の中ではプレーしない」と語っている。

 セオドリディス会長は、試合前の練習中にファンの投げ入れた発煙筒が、アイスランド代表のアルフレッド・フィンボガソン(Alfred Finnbogason)、セルビア代表のルカ・ミリボイェビッチ(Luka Milivojevic)に当たったと明かしている。 発煙筒が投げ入れられると、オリンピアコスの選手はすぐにドレッシングルームへ引き返した。

 これにより、試合結果は3-0でオリンピアコスの勝利となるほか、パナシナイコスには勝ち点の剥奪、多額の罰金といったペナルティーが科せられる可能性が高い。

 開幕10連勝を飾り、勝ち点30で敵地に乗り込んだ首位オリンピアコスは、2位パナシナイコスに勝ち点8差をつけていた。(c)AFP