【11月20日 AFP】サッカー元オランダ代表の名選手である68歳のヨハン・クライフ(Johan Cruyff)氏は19日、肺がんとの闘いを乗り越えられると「確信している」と語った。

 現役時代にオランダ・エールディビジのアヤックス(Ajax)やスペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)などで活躍したクライフ氏は、先月肺がんと診断されたことを公表してから初めて公の場に姿を現し、「これは闘いだ。しかし、私は勝てる闘いだと確信している」と語った。

 決勝まで勝ち進んだ1974年のW杯西ドイツ大会でオランダ代表の主将を務め、「トータルフットボール」の体現者の一人でもあるクライフ氏は、スペイン・バルセロナ(Barcelona)で行われた自身の財団とカタルーニャ(Catalonia)州内の大学の提携発表会見に登場した。

 体調は良好な様子で笑顔をみせていたクライフ氏は、すでに1回目の化学療法が行われたことを明かした。

「最初の治療を終えて気分は良いし、何の問題もない。がん細胞を死滅してくれるのだから、化学療法は友人のようなものだと考えている」と語ったクライフ氏は、今週初めにアヤックスのアドバイザーから退いている。

「すべて大丈夫になると心から確信している」

 1973年から78年までプレーしたバルセロナで3度のバロンドール(Ballon d'Or)に輝いているクライフ氏は、同クラブ移籍1年目でリーグ優勝を成し遂げ、敵地で行われたレアル・マドリード(Real Madrid)戦での5-0の歴史的大勝にも貢献した。

 クライフ氏はまた、バルセロナで1988-96年まで指揮を執り、1992年にはヨーロッパチャンピオンズカップ(European Cup、現在は欧州チャンピオンズリーグ<UEFA Champions League>)でチームを初優勝に導いている。

 がんと診断されて以降、寄せられた激励に感動しているとつけ加えたクライフ氏は、「たくさんの人々が心強い力を送ってくれていて、私の体は前より2倍も強くなった」とコメントした。(c)AFP