【11月5日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が、中華レストランで携帯電話を盗もうとした男を取り押さえ、自分はまるでスーパーガール(Supergirl)のようだったと明かした。

 四大大会(グランドスラム)の女子シングルスを21度制している女王は4日、フェイスブック(Facebook)でまさかの体験を詳細につづり、スーパーガールの衣装に身を包んだ写真を投稿した。

 この話から学ぶことは2つ。誰でも内面には正義の心があるということ、そしてセレーナにちょっかいを出すなら、自分の責任でやるということだ。

 世界ランク1位のセレーナは、「昨日(3日)のディナーで『本当にあり得ないこと』が起きたの。私が中華料理を楽しんでいるところに、男性が近づいてきた」と語っている。

「そこで何かが(今なら分かる。あれは『正義のヒーロー』の感覚だった)私に、彼を監視するよう伝えた。私の携帯は椅子の上にあったんだけど、なんだか落ち着かなかったの」

「そこでたまげたわ。あのこそ泥が、私の携帯を奪って逃げたのよ。私は椅子を見て、『うそでしょ、あの男が私の携帯を盗んだわ!!』って叫んだ」

「そこで頭よりも先に体が動いた。椅子から飛び上がり、人をかき分けてレストランを出ると、彼を追いかけた。彼は走り始めたけど、私の方が全然速かったわ。一瞬でその男を取り押さえたのよ!」

「落ち着きながらも有無を言わさぬ声で、私は優しく彼に語りかけたの。きっと『間違えて』違う携帯を取っちゃったんじゃないかってね。彼はしばらく何て言おうと考えてから、『ああ、そうだよ!混乱していたんだ。違う携帯を持ってきちゃったんだよ』と答えたわ」

 この出来事を受けて、セレーナは自分の不思議な能力について考えたようだ。

「正義のヒーロー?かしら?絶対にそうだわ!!私の中には、スピーディーなジャンプ、パワー、身体能力、女性的な魅力、強さ、リーダーシップ、そして同時に難局を切り抜ける冷静さがある。いつだって正義の味方の内なる声を聞くのよ。そして正義のために戦うの。信念のために立ち上がって!正義のヒーローになりましょう!」

「レストランに戻ったら、スタンディングオベーションに迎えられたわ。誇らしかった。そこにいたすべての男性に、女性だからといって脅しには屈しないということを証明したの。女性にとっての勝利よ!女性だからといって、挑戦を恐れることはない。被害者ではなく、ヒーローになりましょう!」

 セレーナは、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2015)の準決勝で敗退してから、ツアーを休んでいる。(c)AFP