【10月30日 AFP】民主化の行方を占う総選挙を1週間後に控えたミャンマーの最大都市ヤンゴン(Yangon)で29日夜、アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)氏率いる最大野党・国民民主連盟(NLD)の候補者が選挙運動中、ナイフで切りつけられて負傷した。NLD関係者が30日、明らかにした。運動員3人も負傷したという。

 負傷したのはNLD所属の現職国会議員で、自身の選挙区であるヤンゴン市内のタケタ(Tharketa)地区を運動員と共に遊説中、襲撃を受けた。目撃した別のNLD候補者によると、1人の男が運動員を殴り始めたので人々が引き離した。この男は酒に酔っていたため、家に帰らせようとしたが、その後、大ぶりのナイフを手に戻ってきたという。

 襲撃の動機はまだ不明だが、目撃した別のNLD候補者によれば少なくとも2人が逮捕されたという。

 ミャンマーで総選挙が実施されるのは、2011年に軍政から民政に移管してから初めてで、政権にとってはこの4年あまりの民主化の集大成となる。一方、NLDが総選挙に参加するのは25年ぶりで、大きな躍進が見込まれる中、ミャンマーでは政治的緊張が高まっている。(c)AFP