【10月12日 AFP】(一部更新、写真追加)スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は12日、2015年のノーベル経済学賞(Nobel Prize in Economics)を「消費、貧困、福祉」に関する研究による業績で、英米両国の国籍を持つ経済学者のアンガス・ディートン(Angus Deaton)氏(69)に授与すると発表した。

 ディートン氏は1983年以来、米プリンストン大学(Princeton University)の経済学と国際関係論の教授を務めている。

 同委員会はディートン氏の研究が「個人の消費決定と、経済全体に及ぼす結果の関係を強調することで、ミクロ経済学、マクロ経済学、開発経済学の領域を一変させることに寄与した」と評価した。また「福祉を増進し、貧困を減らす経済政策を策定するために、われわれが第一に理解しなければならないことは、個人の消費決定だ。アンガス・ディーコン氏は、他の誰よりもこの理解を深めた」と添えた。

 ディートン氏は関連する三つの業績で表彰された。1980年前後に同僚のジョン・ミューエルバウアー(John Muellbauer)氏と開発したさまざまな財に対する需要の試算システム、1990年前後に行った消費と収入の関係に関する研究、さらに後に行った世帯調査を手がかりに発展途上国の生活水準と貧困を評価する研究だ。

 ノーベル経済学賞の受賞で、同氏には800万クローナ(約1億1800万円)が贈られる。(c)AFP