【10月10日 AFP】米国防総省のピーター・クック(Peter Cook)報道官は9日、シリア空域での事故を防ぐためロシア側に申し入れた安全協議について、露国防省から正式に回答があり、今週末にも協議が行われる可能性があると述べた。

 シリア空爆を開始したロシアは、カスピ海(Caspian Sea)から巡航ミサイルを発射したりトルコ領空を侵犯したりしている。米露の最初の安全協議で示された提案にロシアが速やかに応えなかったとして米国側は今週、警戒感を示していた。

 米国とロシアは現在、シリアに対し別々に空爆を行っている。米当局者はロシアが9月30日に攻撃を開始した際、約1時間前に曖昧な注意喚起を受けただけだったとして憤慨した。

 翌日、両国はテレビ会議で「衝突回避」について協議し、ロシアの戦闘機が米国の無人機(ドローン)や米軍主導の有志連合の航空機の針路を横切らないよう確認した。協議では乗組員同士の交信に使用する言語や、互いの機体の間に保つべき距離など、基本的な安全対策を中心に話し合われた。

 米軍関係者によれば、ロシア機が米軍無人機の近傍を飛行した事例があり、一触即発の事態を避けるため一部の飛行で経路を変更をせざるを得なかったという。米国防省は数週間前からシリア北西部でのロシア軍の増強を監視していたが、ロシア軍の空爆開始には不意を突かれたようだ。

■オバマ政権、反体制派に武器提供へ

 一方で米オバマ政権は9日、批判の的となっていた穏健派のシリア反体制派勢力への支援策を全面的に見直すと発表した。これまで行ってきた反体制派戦闘員の訓練を縮小し、シリアでイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と戦っている反政府勢力とその指導者を厳選して武器や装備の提供を行うことに「焦点を定め直す」としている。

 米国の武器などで強化された勢力は、シリア国内のIS支配領域に送り込まれることになるとみられている。(c)AFP