【10月9日 AFP】シリア政府軍は8日、ロシア軍の空爆やレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)の援護を受けて、シリア西部で反体制派に対する「大攻勢」を開始した。北大西洋条約機構(NATO)は、シリアで軍事行動を強めるロシアに警戒感を表明している。

 ロシア軍は、9日前からシリアで開始したバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に敵対する勢力に対する空爆を一段と強化。爆撃機のほか、カスピ海(Caspian Sea)に展開するロシア軍艦から巡航ミサイルによる攻撃も行っている。

 こうした中、シリア政府軍の情報筋はAFPに、政府軍が東に戦略的要衝のガーブ(al-Ghab)平原を、西に政府軍が拠点とする沿岸都市ラタキア(Latakia)を臨む山地の大半を掌握したと語った。

 ガーブ平原は、ここ数か月にわたり国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のシリア武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」を含む反体制派の同盟軍が、主要な攻略目標としていた。英国に拠点を置く「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」も、この一帯で政府軍が進攻していることを認めた。

 ロシアは攻撃の対象をイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」と「その他のテロリスト」だと主張しているが、米国はロシア軍の標的の90%以上はISでもアルヌスラ戦線でもない反体制派組織だとしてロシアを非難している。(c)AFP/Maya Gebeily、Bryan McManus