【10月7日 AFP】1989年のノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)受賞決定の連絡が、誤って同姓同名の経済学者にされていたことが明らかになった。

 1989年のノーベル物理学賞受賞者ノーマン・ラムゼー(Norman Ramsey)氏は6日に公開されたノーベル財団(Nobel Foundation)とのインタビューの中で、同賞の受賞者が決定した際、ノーベル賞委員会は最初、誤って別のノーマン・ラムゼー氏に連絡していたことを明らかにした。

「たぶん私が(米国の首都)ワシントン(Washington D.C.)にいると思ったんだね。でもそこにはもう1人のノーマン・ラムゼーがいたんだよ。委員長がその人に電話をかけたんだ」と2005年に行われたインタビューで同氏は語っている。

 当時、午前6時ごろに掛かってきた電話に出たのはノーマン・ラムゼー氏の息子だった。「ノーベル賞委員会は、お父さんにノーベル物理学賞を受賞したことを伝えたいと言ったんだ。その息子さんは、それは面白いですね。父は経済学者なんですがと答えた」という。

 実際の受賞者のラムゼー氏は、原子時計の開発などの功績で同賞を受賞した。2011年に96歳で死去した。

 もう一人のノーマン・ラムゼー氏は、経済学の分野でノーベル賞を受賞するほどの功績は残さなかった。(c)AFP