【10月2日 AFP】今年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を、戦争や迫害を逃れ欧州に押し寄せた難民に門戸を開く決断をした勇気が世界で称賛されているドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相(61)が受賞する可能性があると、2日付の独日刊紙ビルト(Bild)が伝えた。

「メルケル首相はノーベル平和賞を受賞するチャンスが十分にある」とビルト紙は述べ、「理由:ウクライナ危機と難民政策における同首相の行動」と続けた。

 前日の1日、ノーベル平和賞の受賞者予想の第一人者、ノルウェーのオスロ国際平和研究所(Peace Research Institute of Oslo)のクリスティアン・ベルク・ハープウィケン(Kristian Berg Harpviken)所長は、オスロ(Oslo)で開かれた記者会見で「欧州難民危機は、というよりも世界的な難民危機と呼ぶべき事態──というのも東アジアの広い地域でも同程度に大きな難民危機が存在しているからだ──は今年、(ノルウェー・ノーベル)委員会の目にとまるべきことがらだろう」と語った。

 さらに同氏は「道義的リーダーシップをとり、難民問題に対する欧州の議論の方向性をひっくり返したのはアンゲラ・メルケル氏だ」と付け加えた。

 とはいえ、ドイツ国内ではメルケル氏の人気が下落している。独ニュース週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)が先週発表した政治家人気ランキングによると、メルケル氏は1位から4位に転落した。(c)AFP