【9月24日 AFP】フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)がイスラム過激派による襲撃を受けるきっかけとなった預言者ムハンマドの風刺画の一部を描いた「リュズ(Luz)」ことレナルド・リュジエ(Renald Luzier)氏が、次号を最後に引退することを明らかにした。

 同氏は、23日発行の最新号で「また漫画の授業が始まった。僕の引退まであとちょうど1週間」と冗談めかして書いた。同氏が言及しているのは、トルコの浜辺に水死体となって漂着したシリア人の男児、アイラン・クルディ(Aylan Kurdi)君(3)の風刺画が同紙の先週号に掲載されたことで新たに巻き起こった騒動だ。

 風刺画家のリス(Riss)氏が描いたこの風刺画には、「ゴールはすぐそこ」と書かれたマクドナルド(McDonald's)の看板の下に横たわるアイラン君が描かれ、悪趣味だとの批判が集まっていた。

 リュズ氏は「この画は移民をあざけっているのではなく、リベラルで偽善的な私たちの社会…1人の子どもの死がメディアで大々的に報じられるまで、移民の宿命に思いを寄せられなかった、この豊かで超消費者主義の欧州をあざけったものだ」とつづっている。

 リュズ氏はAFPの取材に対しても、次号が自分にとって最後になると語った。

 リュズ氏は、今年1月にパリ(Paris)の同紙本社で行われていた編集会議で12人が殺害された銃撃事件により、同紙で最も高い地位の風刺画家となった。事件の1週間後に発売された同紙特別号の表紙では、「すべては許される」というタイトルがつけられた同氏によるムハンマドの風刺画が掲載され、話題を呼んだ。(c)AFP