【9月7日 AFP】トルコの浜辺に打ち上げられたシリア難民のアイラン・クルディ(Aylan Kurdi)君(3)の遺体を抱き上げる姿を写した写真が世界的に有名となった警察官が、当時の心境をトルコメディアに語った。男児を見た時、わが子のことが頭をよぎったという。

 トルコ人警官のメフメト・シプラク(Mehmet Ciplak)さんはトルコの通信社ドーガン(Dogan)に対し、波打ち際に横たわっていたアイラン君を見つけ抱き上げたとき、「『お願いだから生きていてくれ』と祈ったが、もう息はなかった。心が打ちのめされた」と語った。

「私にも6歳の息子がいる。この幼い子を見た瞬間、自分の息子を思い、この子の父親の気持ちを思った。どれほど悲しく心痛む光景だったか言葉では表せない」

 その時、後に世界中に拡散されることとなった写真が撮られていたことは知らなかったといい「ただ自分の任務に当たっていただけだった」と述べている。

 アイラン君は、トルコ沖でギリシャに向かう途中だったボート2隻が転覆した2日の事故で死亡した12人の中の一人。トルコ南西部ボドルム(Bodrum)の浜辺に打ち上げられた遺体の写真は世界中に配信され、欧州に大量流入する移民の問題に国際社会の批判が巻き起こった。(c)AFP