【9月5日 AFP】トルコの海岸に打ち上げられて横たわるシリア移民の男児の遺体の写真に胸を痛めた欧米の人々らから4日、移民を支援する団体などに対し寄付が相次いだ。寄付金額は総額数百万ユーロに上っている。

 自国で世論からの圧力を受けたデービッド・キャメロン(David Cameron)英首相は、英国はシリア危機の人道支援に1億ポンド(約180億円)を追加する用意があることを示唆した。これにより、英国のシリア紛争に対する支援金額は総額10億ポンド(約1800億円)以上となる。

 移民問題については欧州諸国の間で意見が分かれているが、3歳のアイラン・クルディ(Aylan Kurdi)君が赤いTシャツに青い半ズボン姿で靴もしっかり履いたまま、砂浜にうつぶせに横たわっていた写真に、人々は感情を揺り動かされている。

 国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)も、アイラン君の写真が世界中に広まって以来、寄付が殺到していると述べている。国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)も、200万ユーロ(約2億6500万円)の緊急資金の提供を開始した。

「一般市民から非常に大きな反響がある。無関心だった流れが変わってきている」と、マルタを拠点とする「マイグラント・オフショア・エイドステーション(Migrant Offshore Aid Station、沖合の移民救護所)」の広報担当者はAFPに述べた。

 同団体は、リビアから地中海(Mediterranean Sea)を渡ろうとする移民の支援を行っているが、4日までに60万ユーロ(約8000万円)という記録的な寄付金が集まったという。(c)AFP/Jo Biddle