【9月3日 AFP】フランスの大手高級グループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(Moet Hennessy Louis VuittonLVMH)は1日、米アップル(Apple)の定額音楽配信サービス「Apple Music(アップルミュージック)」立ち上げに貢献したイアン・ロジャース(Ian Rogers)氏を、LVMHのチーフ・デジタル・オフィサーに任命すると発表した。

 この発表の数日前、ロジャース氏がアップル傘下のビーツ・エレクトロニクス(Beats Electronics)のチーフ・エグゼクティブとアップルミュージック(Apple Music)の代表を退任することを、アップルが認めたばかりだった。LVMHは、ロジャース氏が来月から同グループのデジタル部門を統括していくとしている。

 LVMHのベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長が出した声明によると、ロジャース氏の責務は全部門の「デジタル・エコシステムの強化」に加え、各部門が「新たな機会を探っていく」際に助言を行っていくことになるとしている。

 アルノー会長は、「イアンはそのハイエンドのデジタル事業における豊富な経験とイノベーションを追求する精神を生かし、LVMHがデジタルラグジュアリー部門をけん引していく際の力になってくれるはずです」と期待する。

 アップルは昨年、有名ミュージシャンのドクター・ドレー(Dr. Dre)氏とジミー・アイボン(Jimmy Iovine)氏が創業した、ハイエンドのオーディオデバイス開発と音楽配信サービスを展開するビーツを30億ドル(約3600億円)で買収。それに伴い、ビーツにいたロジャース氏もアップルに移籍していた。