【8月29日 AFP】4年半にわたる内戦が続いているシリアで、全人口の約半数が家を離れ、国外に脱出した人は内戦前の人口の20%近くに迫っている。

 内戦勃発時の人口が約2300万人だった同国では、少なくとも760万人が国内で避難し、400万人以上が難民化したという。

 国連(UN)の人道援助部門の責任者によると、シリア国内での援助活動は、とりわけ入域が困難な地域、および政府軍や反体制派双方が占領する地域で、引き続き兵士たちによって阻止されているという。一般市民約460万人がこのような地域で暮らしており、さらに42万2000人が包囲された状態の中での生活を強いられている。

 一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は今年7月、難民は過去10か月で100万人も増加したとし、年末までに427万人に達するとの予測を発表した。

 難民の大半は近隣諸国に脱出したが、就業機会の不足や不十分な人道援助により、多くの人々が欧州への移住を模索している。

 在英の非政府組織(NGO)シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、シリア内戦でこれまでに24万人以上が死亡したとしている。(c)AFP