【8月27日 AFP】世界のラグビー統括団体ワールドラグビー(World Rugby)は26日、費用の高騰による新国立競技場(New National Stadium Japan)の建設見直しを受け、2019年ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)について、新たな競技場のリストを提出するよう要請した。

 ワールドラグビーは、ラグビーワールドカップ2019組織委員会(Japan Rugby 2019 Organising Committee )に対して、9月末までに「ラグビー界最大のイベントでチームとファンに素晴らしい経験をもたらし、ファンに最高の機会を与える新たな競技場の詳細なリストを提出すること」を求めている。ワールドラグビーはまた、「適切な財政保証」を満たす新たな大会予算を要求した。

 今回の要請は、安倍晋三(Shinzo Abe)首相が先月、2020年東京五輪のメーンスタジアムとなる新国立競技場について計画を白紙に戻すよう指示したことを受けてのもので、新国立競技場は当初、決勝戦を含めラグビーW杯の試合会場に予定されていた。

 ワールドラグビーは声明で、「日本政府が、残念ながら2019年ラグビーW杯日本大会の競技場リストから新国立競技場を外す決定を下したことを受け、ワールドラグビーは事業計画の見直しに着手し、日本のW杯2019組織委員会に対して大会を成功に導くための重要な保証を求めている」と述べている。

 ワールドラグビーはさらに、新国立競技場が使用できなくなったことで、「観戦チケットの総数と大会予算に深刻な影響を与えている」と懸念を示した。

 同日には、ワールドラグビーがW杯の競技場と予算に関する「正式な再保証」を求め、「ワールドラグビーは引き続き、W杯2019組織委員会が要求の基準を満たし、アジア初開催となる同大会を大成功に導くことを確信している」と述べた。

 これに対して日本の組織委員会は、新たな競技場と予算計画の草案について、ワールドラグビーを満足させるものになるとしている。

 組織委員会の広報はAFPに対して、「ワールドラグビーと定期的かつ頻繁に話し合いを進め、先を見越して活動している」と語った。

 日本には、2002年サッカーW杯日韓大会の決勝戦が行われた横浜国際総合競技場(International Stadium Yokohama)をはじめ、開催地にふさわしいスタジアムがそろっている。

 しかし、競技場の変更によって座席数が当初の予定より少なくなる可能性があるため、観戦チケットの収入が減少することが懸念されている。(c)AFP